kaigonoosigotoの日記

都内の高齢者施設にて施設長をやっています。若者の視点から現代の高齢者施設に切り込みます。

介護士を困らせる誇り高き利用者

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介護士による高齢者虐待が問題になったりしてますね。虐待はいけないことですが、虐待が起こる背景を知ると虐待をしてしまった介護士に少しの同情を寄せてしまう自分がいます。仕事をきちんとしている介護士の多くが、自分は虐待をしないけど、虐待をしてしまった介護士の気持ちは理解できると言うと思います。それだけ、介護の現場は大変ということです。介護の大変さはどのような利用者がいるかで全く変わってきますが、今回は介護士をほとほと困らせる誇り高い(プライドのかたまり)利用者についてご紹介します。

 

◆1.誇り高き利用者たち

◆2.加齢によって頑固が進む!?

◆3.女性利用者のすごさ

 

◆1.誇り高き利用者たち

高齢者のためになる仕事がしたいと志高い思いを胸に介護士の門を叩く方が毎年いらっしゃいます。しかし、その高い理想はすぐに折られることになるのです。それはなぜか。誇り高き利用者たちが彼らの前に立ちはだかるからです。誇り高き利用者たちって、ただのプライドで凝り固まった親父たちです。昭和の男って、頑固で、家庭を省みないで威張っている。そういうイメージありますよね。そんな男たちがさらにパワフルなまでに頑固になって施設に生息しているんです。これはもうお手上げです。時は2018年、完全に世の中の価値観は変わっていて、働く男が偉いということも、家庭の中で男性が優位にあるとか、とっくに崩壊しているんですが、彼らはそれを学ぶ術がないし、認めることはできないでしょう。

誇り高き男たちの特徴をまとめてみると以下になります。

 ①70歳~90歳台くらいの男性

まさに昭和の親父ですね。頑固一徹。気にくわないことがあれば、怒鳴り散らす。自分が間違っていても非を認めない。男は偉いと思っている。そんな困った親父たち、いますよ。彼らの価値観は完全に年功序列です。歳をとっているほど、偉いのです。彼らは昔の価値観を持ったまま、仕事で現役引退をしているので、古い考え方で今も生きています。今は夫婦共働きですし、男性も家事をこなします。育児も協力するし、自分の奥さんを大切にすることも当たり前です。彼らが生きていた時代とは全く違った時代に生きているのです。

 ②実力ないくせに自信がある(言い方悪くてすみません)

こういう人たちって、経済成長の恩恵を受けた人に多い気がします。もちろん、僕の個人的な見解ですよ。高度経済成長の中で日本経済が発展し、自分が勤務していた会社も売り上げを伸ばし、大きく成長することを目の当たりにした方もいるでしょう。しかし、それって時代の恩恵です。もちろん、その当時の現役世代の人たちがかなり頑張って働いたから出来たことなのですが、空前の好景気だからこそ、勢いがあった時代だったのでしょうね。高度経済成長時代は、所得倍増を願って日本が一つになって成長を目指した時代です。終身雇用でしたし、家族がいて、一戸建てと車を購入することができる経済的に豊かな時代でした。会社に忠誠を尽くすならば、会社が守ってくれる時代だったのです。やはり、人間うまくいき過ぎると調子に乗るもので、実力ではなく、時代の恩恵で人生がうまくいったのに実力だと勘違いしたりするのです。こうなると傲慢になりやすく、昭和の男が完成するのでしょうね。

もちろん、当然のことながら、優秀で実力がある人もいっぱいいたでしょうし、優しい人もいっぱいいたと思いますよ。

 ③先生と呼ばれる職業の人は高齢になるとより傲慢になちがち!?

昔は、医者や学校の教師は絶対的な存在でした。今のように医者が医療ミスで訴えられるとか、学校の先生が生徒の接し方に気を使うということは昔ではありえないということでした。医者や教師は先生と呼ばれ、尊敬されていました。しかし、その尊敬は人を時に勘違いさせ、自分がさも偉いかのように思ってしまうのでしょうね。立派な医者や先生はいますが、傲慢になってしまってはいけませんよね。時代背景もあり、偉く振る舞っていた医者や先生は高齢になっても、偉いままなんです。自分よりもかなり年下の介護士に様々言われるのに我慢がならず、怒鳴ったり、力で従わせようとする人がいるのも無理はないです。

 

◆2.加齢によって頑固が進む!?

高齢になると、人は頑固になるとよく言われます。人の上に立つという状況に長年慣れてきた人達にとっては、自分の身の回りのことを満足にできず、介護士の世話になるということは耐えがたい苦痛です。半世紀以上も強いプライドを持って生きてきた人が人生の最期にまさか人の世話になり、排泄さえも自分の手では処理することができない現実を受けることはとても大変なことです。さらにその排泄などを自分よりも圧倒的に年齢が若い人にしてもらわなければならないことは、恥ずかしさや苦痛となって本人を苦しめる場合もあるでしょう。現実を認められないことにいら立ちを覚えて、より考えが頑固になったり、暴言や暴力を通して気持ちを爆発させてしまう利用者もいます。

 

◆3.女性利用者のすごさ

男性と比べてすごいなと思うのが女性利用者です。女性利用者は施設内でコミュニケーションをとるのがうまく、温和に過ごしているなぁという印象です。もともと人間関係を円滑にするのに長けている女性は高齢者となっても、人間関係構築をうまく行い、施設での人生を楽しんでいます。施設では男性利用者よりも女性利用者の方が利用者同士の交流が活発です。様々な取り組みにも女性は積極的に取り組む傾向が見受けられます。施設のレクリエーションでも、女性はエンジョイしていますが、男性は楽しくなさそうな人もいます。なぜこれをしなければならないのか、子供のような遊びはしたくないと言いながら、孤立しがちです。

男性と女性のコミュニケーション力

誇り高き男たちは、人生の多くの時間を仕事に費やしてきた世代です。家庭を省みず、ひたすら仕事だけに邁進してきた人達が多いです。となると、典型的な日本男性になり、会社以外でのコミュニケ―ションは少なく、ご近所さん付き合いや子供の学校関係の付き合いも全て妻に任せてしまうという状況になりがちです。

日本人男性は仕事に関係した人としか付き合いがないというのはありがちで、プライベートで交流の幅が広がったりすることはあまりありません。その一方で女性は仕事とは関係のない近隣住民との井戸端話をはじめとして、コミュニケーションをとる場面が様々出てきます。その結果、女性の方がコミュニケーション能力を磨く機会が増えていきます。それは高齢者施設でも同じことで、仕事でしか人との交流がなかった男性は、たわいもない雑談を行ない、利用者同士仲良くなるのが苦手です。一方で女性はその場で互いに仲良くなり、関係性を円滑にするための対人能力を身に付けている感じです。この傾向は結構当てはまるんじゃないかなと思います。

介護士を困らせる大先輩達、どうしたものでしょうか。