kaigonoosigotoの日記

都内の高齢者施設にて施設長をやっています。若者の視点から現代の高齢者施設に切り込みます。

福祉業界の退職理由ってどんな感じ?

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退職理由って業界によって異なる部分は若干あると思います。「人間関係」、「寿退社、「したいことが見つかったから」といった一般的な退職理由以外にはどういった理由があるのでしょうか。離職率がやや高めの福祉業界ではどういった理由で退職しているのかまとめてみます。

 

◆1.結婚・出産・育児が第一位

◆2.人間関係

◆3.仕事内容がハード

◆4.給料が安い

◆5.夜勤業務がきつい

 

◆1.結婚・出産・育児が第一位

介護士の退職理由は、「平成24年社会福祉士介護福祉士就労状況調査」という資料にまとめられていました。それを読むと退職理由の一位は、結婚・出産・育児でした。そりゃそうかもしれません。だって、福祉業界って女性の数がめちゃ多いですもん。介護福祉士の合格者男女比は1:3ですし、実際の事業所における男女比も女性の割合が多いところが多数です。それだけ女性特有の退職理由が上位にランクインするのも無理はないですよね。

女性は結婚・出産・育児を機に働き方が変わることが一般的なので、こういう結果になったのだと思います。

 

◆2.人間関係

これって、どの業界でも必ず上位に位置しますし、むしろこれが一番の退職理由なんじゃないかなと個人的には思っています。嫌な上司や同僚がいると仕事に行くのも憂鬱になります。でも、上司や同僚が良い人で良好な関係性が築けていると、仕事がハードでも耐えられたりするんです。これを言うと女性から怒られてしまうかなと思うのですが、女性はどの組織でもグループをつくる傾向にあって、職員同士の悪口や噂が広まりやすく、複雑な関係性が生まれていきます。男性から女性の人間関係を見ていると、面倒だなと感じることが多いです。そういう面倒な人間関係にうんざりして退職する人もいるんだろうなと思います。

また、介護士というところに注目すると、高齢者の命を預かっている責任ある仕事ですから、性格がきつい人が上司になると部下のミスを過度に厳しく指摘してしまう場合があります。仕事のミスを指摘するのは良いのですが、過度に厳しかったり、理不尽な対応をしたりというのは良くないですよね。僕が大学新卒で就職した頃に、上司から「仕事は人に慣れることが大切だ」とよく言われました。「新人のうちは仕事そのものを覚えるよりも、まずは先輩に覚えてもらって関係性を良くすることが仕事だ」と教わりました。先輩に覚えてもらって仲良くなれば、仕事のこともよく教えてもらえるし、こちらから質問もしやすくなるという意味です。やはり、他の職員とは毎日顔を合わせるわけですから、人間関係が悪いと嫌になって辞めちゃいますよね。

 

◆3.仕事内容がハード

仕事って適正がありますからね。合う合わないは仕方のない話です。やってみて分かることってたくさんありますから。介護士の場合は、高齢者の身の回りの世話をすることが業務内容で、主に食事、排泄、入浴の介助がメイン業務です。それだけ大変な部分はあるのですが、やはりきついといったら、排泄対応ですかね。トイレ誘導したりとか、オムツ交換ならまだましです。きついのはオムツをしている利用者が排便してしまって、それが何人も続く時です。普通に泣きそうになります。お尻を綺麗にして、汚れがひどい時はシャワーできれいにする時もあります。結構時間がかかる業務です。大変ですが、僕はまぁ、割と大丈夫だったりします。泣きそうになる時も確かにありますが、大変な状況でも利用者を早く綺麗にしてあげようと素直に思えたりするので、7年以上も介護士が続けられているのかなぁと思ったりしてます。さらに強烈になると、認知症利用者が便失禁をした自分の排泄物を手で触って自身の身体にぬったり、壁や床にこすったりします。こうなると、お手上げですね。床や壁をきれいにするのもかなり大変ですし、便まみれの利用者を綺麗にするのもかなりの重労働です。業務も大変ですが、自身が汚れないようにするのも難しいですし、人がした便の臭いにも耐えなければなりません。冷静になってみると、かなり過酷な仕事ですよね。でも、慣れますけどね。こういう過酷な仕事がたくさんある介護士はやはりハードと言えるかもしれませんね。

(一人言:僕は介護士、楽しいですけどね)

 

◆4.給料が安い

これは介護士では鉄板ですよね。この業界は給料が安いんですよね(泣)。平均年収以上の給料を出してくれる事業所もあるのですが、一般的には平均年収を下回る給料しかもらえないのが現実です。友達が自分よりも良い給料をもらっていると、今の自分が惨めに思えて、他業界に転職する人もいるでしょうし、より高い給料を求めて介護事業所を移る人もいるでしょう。給料が安くても、仕事内容がものすごい楽とかならいいのですが、介護士は給料が安いのに、仕事もハードっていう、全く釣り合っていない世界なのです。そりゃ、辞めちゃうよね。

 

◆5.夜勤業務がきつい

これも向き不向きがあるのかなと思います。夜勤になると夜に働いて、昼は寝るという生活スタイルになります。この昼夜逆転が体質に合わないという人もいます。普段の生活リズムが崩れるとメンタル的にも体調的にも不調になりがちという人は全くもって夜勤はできませんね。日勤専属の介護士になるということもできますが、正職員で介護士をやるなら夜勤もセットという事業所も多いですから、日勤専属が無理なら退職するしかないという感じですね。

夜勤中は一人で20人の利用者を介助することも普通ですし、多くは50人~60人ほどの利用者を3人の夜勤者で朝まで介助します。夜間は、過酷な業務が待っています。少人数の夜勤者で大人数の利用者をトイレ誘導、オムツ交換、体位交換とやることは山ほどあります。基本業務をやりつつ、利用者からコールで頻繁に呼ばれるのですから、なかなかきついものがあります。夜勤がきつすぎて、辞めてしまうというのも分からなくはないです。

 

辞める理由は人によっても異なってきますが、多くは上記にあげた理由が当てはまるのではないかなと思います。施設長として退職希望者と話をしていると上記理由に当てはまることが多いからです。もちろん、本音を言わないで、嘘っぽい理由で辞めていく人も多いですが。これから介護士になる方は参考程度に読んで頂ければと良いと思います。退職する人の中にはこの業界に向いていない人もいますし、単純にキャリアアップを目指して業界内転職をする人もいます。もし、介護士を辞めたくて悩んでいる人は他の介護士がどういった理由で仕事を辞めているのか参考にすると良いと思います。退職を踏みとどまるのか、それとも退職の意思を固くするかは、人によりけりでしょうね。