kaigonoosigotoの日記

都内の高齢者施設にて施設長をやっています。若者の視点から現代の高齢者施設に切り込みます。

介護士の向き不向きってあるの?

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新卒で介護士への就職を考える場合や異業種から介護士への転職を考える場合、自分に介護士が務まるのだろうか?と考えた方もいると思います。介護士は求人数も多いので、転職を検討する方はハローワーク等で目にすることの多い求人ですよね。介護士に向いているかはやってみないと分からないとも言えますが、その前にこの記事を読んで頂き、なんとかできそうと思えたら、介護士に向いているかもしれません。まず参考程度に読んでみて下さい。

 

◆1.結論から述べるとこうなる

◆2.苦痛が大きいのが排泄介助

◆3.腰痛持ちの人は厳しいかも

◆4.高齢者の役に立ちたいという思いがある人はどう?

 

◆1.結論から述べるとこうなる

最初に結論を言ってみます。介護の仕事というのは誰でもできるような仕事が多いというのが本音です。その証拠に介護未経験のパートのおばちゃんも介護現場でたくさん働いていますし、未経験・無資格で働いている正社員介護士もたくさんいます。僕が施設長をしている施設では、パートのおばちゃんはあまりいないですが、未経験・無資格で勤務している介護士はいます。ただ、未経験で入っても、3年したら介護福祉士の資格を取得するなどステップアップには励んでいるようです。何も分からない状態で介護士を始めても、仕事は務まりますよということはお伝えしたいです(※ずっと知識がないまま介護士をやり続けるのは無理ですよ)。

では介護の仕事とは何でしょうか?入所施設の老人ホームと日中のみ高齢者を預かるデイサービスでは内容が異なってきますが、大きく4つに分けられます。それは、「食事介助」「入浴介助」「排泄介助」「レクリエーション」です。利用者が亡くなるまで宿泊できる入所施設では食事介助、入浴介助、排泄介助が中心業務になります。一方、利用者が朝に来て、夕方に帰るデイサービスでは入浴介助とレクリエーションが中心業務です。食事・入浴・排泄というのは人間なら誰しも必要な行為です。こうした介助に専門知識は必要ですが、なくてもみよう見まねでできてしまうのが介護の特徴です。寝たきりの状態だったり、麻痺や障害を抱えた方の場合は確かな技術がないと安全面に関わりますが、そうした場合を除いて比較的、元気な利用者と接する場合は未経験でもなんとかなります。

長くなってしまいましたが、介護士は未経験でも務まるということが言いたいです。ただ、長く続くかは別です。排泄介助に生理的な抵抗があるから、介護士は無理と言う方もいるでしょうし、高齢者介護が思ったよりも重労働と感じる方もいるでしょう。うちの施設にも介護士未経験で入職された方で1か月仕事を続けたら、施設長面談をしますが、どうしても介護業務は無理ということで退職されていく方もいますよ。

 

◆2.分かれ道となる排泄介助

我慢ができる業務もあれば我慢ができない業務も人によりあると思います。我慢ができない業務の特徴に生理的にどうしても無理というものが挙げられます。特に排泄介助は利用者のトイレに付き添うことが多いため、匂いや音、お尻のふき取りなどと嫌な人には大変苦痛な業務です。介護業界に属したことがない人は、排泄業務の内容を聞いただけでもぞっとしてしまうでしょう。利用者の中には尿失禁や便失禁をする方もいますし、それが日常茶飯事に起こる施設もあります。僕も便失禁を最初に目の当たりにした時は結構驚きました。便の匂いもしますし、それを自分が片付けなければならないショックもあります。

しかし、人間は慣れてしまうものです!

利用者の便失禁にびっくりしてから、一週間経った時には何も考えずにささっと排泄処理をしている自分がいました。要は慣れです。仕事としてやっているので慣れてしまうのです。介護はボランティアでやっているわけでもなく、お給料がもらえる仕事として行っているものなので、慣れてしまえばこっちのものです。最初のうちはどうやって対応したらよいか分からないので、戸惑いますが、慣れてしまえば素早く対応できますし、コツが分かればそこまで苦労することなく処理することができます。つまり、自分がレベルアップすれば問題なく対応できてしまいます。

 

◆3.腰痛持ちの人は厳しいかも

腰痛を最初から持っている方は厳しいかもしれません。ただ、介護士で腰痛を持っている方はたくさんいるので、心配いらないということもできるかと思います。腰痛は自分で運動とストレッチでほぐしつつ、介護技術を身に付ければかなりカバーすることができます。コルセットをつけながら仕事をしている介護士もいますし、そこまで気にしなくて良いかもしれません(しっかり対策すれば気にしなくても良いかもという意味)。大切なのは力づくで利用者を動かさないようにすることです。先輩介護士から介護技術を教えてもらえれば、そこまで力がなくても、利用者を動かすことが可能です。ただ、少し腰が痛いからといって心が萎えてしまう方は最初から介護士をやらない方が良いかもしれません。介護士は基本的に肉体労働ですので、ずっと身体を動かしています。中腰になったり、かがんだり、運動量が求められます。しかし、腰痛を持っている介護士もたくさんいるので、なんとも言えませんね。腰痛を持っていると介護業務は大変な面がありますが、腰痛を持っていても技術を身に付ければ介護士はできますということだけは確かに言えますね。

 

◆4.高齢者の役に立ちたいという思いがある人はどう?

福祉業界に入ってくる人というのは性格が優しい人が多く、誰かの役に立ちたいという思いを持つ人が結構いるのかなと経験上感じています。そういう人が多いのは事実ですが、そういう思いを持っていなくても全く構わないと思います。高齢者の役に立ちたいと思って介護士になっても、実際は業務が忙しくてゆっくり高齢者と話せる時間がない施設もありますから、理想と現実はかけ離れています(利用者とコミュニケーションが活発な施設もありますよ)。

仕事はお金を稼ぐために行なうものなので、高齢者の役に立ちたい、高齢者が好きという思いが全くなくても全然構いません。施設長の僕から言わせれば、お金のために働き、冷静かつ確実に業務をやってくれる方の方が気持ちの波がなくて、頼もしい場合もあります。ただ、利用者とコミュニケーションをとる場合においては、高齢者好きの介護士の方が良いコミュニケ―ションが取れる傾向にあるので、それは助かりますね。

高齢者の役に立ちたいという高い志を持って、この業界に入ってくる人が理想と現実のギャップに失望して、異業者にまた転職していくというケースは何度もみています。高齢者と話したり、高齢者を支える業務を通して生き甲斐をもってほしいと願っているのは素晴らしいですが、実際の介護士の業務は食事介助、入浴介助、排泄介助などを中心としたものです。仕事自体はハードですし、イメージしたものと違うのでしょうね。だから、退職していっちゃう。

そういった理想を持つことは素晴らしいことですが、現実を受け入れられないというのも問題ですからね。

なので、高齢者のために生きたいという思いがあればなおさら良いですが、そういった高い志がなくても、利用者と楽しく接して、仕事をきちんと行うことができれば十分この仕事は務まると言いたいです。

 

介護士にどういうイメージを持っているのか分かりませんが、人材会社を通して送られてくる未経験介護士に理想と現実のギャップが激しく、僕も困っているという最近の状況があります。理想は素晴らしいですが、現実を受け入れて対応しなければ業務はできませんし、日常業務ができた上で高齢者のためにより良い介護ができるように励んでもらえればなぁと思っています。

ちなみに僕は介護士に向いているかは分かりませんが、もう7年くらいやっています。高齢者と関わるのはなんだかんだ言って楽しいですよ。物ではなく、人と関わる仕事なので、利用者さんからお礼も言われますし、自分の介護で笑顔になってくれた利用者さんの姿も見れます。なんだかんだで、良い仕事だなぁと思っています。少しでもこの記事が参考になれば幸いです。